RC造の線熱貫流率計算方法の変更
以前のブログで、RC造の線熱貫流率について、2通りの方法から有利な選択をしているとの記事を掲載していました。
しかしながら、2024年12月から運用が変わりますので、一般の方にとってはあまり重要ではありませんが、変更についての注意喚起の意味も含めてお知らせしておきます。
RC造については、線熱貫流率が難しいポイントでしたが、建築研究所の省エネルギー評価に関する技術情報の2024年12月更新により次のとおり示されました。
変更前
表1で定める値を用いることができる。加えて当面の間、表2の・・・
⇒
変更後
表1で定める値を用いることができる。加えて令和6年12月31日まで、表2の・・・
として、表2は2025年から使用できないということになったのです。
表2は、断熱材の部位が明記された見やすい表でした。
これが、もう使えなくなるのです。
建築研究所の資料では、内断熱と外断熱の組み合わせを網羅していますが、マンションを想定すると、
壁(垂直面)は内断熱
床(水平面)は外断熱
がほぼ100%ですから、その前提で表1を読み取ると、下記の赤枠のみを考慮すればよいことになります。
※上記の斜線箇所は、このような構造になることはあまり無いだろうという意味です。
単純化したという点は評価できるとして、これまでより性能が少し劣るケースが出てくることになりそうです。
例えば、バルコニー側の柱が室外側に出ている部位について、表2を使用して下記の数値を用いていたところ、
表1では
が該当します。
内断熱面と内断熱面
壁式等以外
を読み取ると、下記の通りになります。
断熱仕様1 | 断熱仕様2 | 断熱補強なし | |
表1 | 0.85 | 1.15 | 1.60 |
表2 | 0.60 | 0.90 | 1.05 |
熱貫流率ですから、小さいほうが有利ですので、表1を選択するしかないとなると、やや厳しめの数値となることがおわかりいただけると思います。
なお、お知らせした内容に限らず、次々と計算方法が更新されていますので、更新版にも目を通しておく必要がありそうです。
ただし正直なところ、ついていくのが大変ですね。
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