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共同住宅の住戸間の熱損失が無いことに!

更新日:5月14日



まずは、共同住宅の隣接する住戸による熱損失の扱いです。


以下、国交省・経済産業省2省合同会議資料等の引用となります。

 

審議会答申において、共同住宅の外皮性能の評価方法に対する実態を踏まえた検討の必要性が指摘されているところ。

共同住宅等の外皮性能の評価において、現行の外皮平均熱貫流率(UA)の評価方法では、住戸間でやり取りされる熱が単に失われる評価となっており、断熱性能が低く評価されている。

  • 上記を踏まえ、技術情報※1を改訂し、隣接空間が住戸の場合の温度差係数を『0』に見直す。

  • ただし、温度差係数を『0』とするにあたっては、中住戸と妻側住戸で求められる窓や外壁等の性能に極端な差が生じないように一定の要件を求めることとする。


 

これまでは、お隣さんが同じような室温で暮らしていたとしても、隣戸とは一方的な熱の損失があるとして計算をしていました。

温度差係数を「0」とした場合、隣戸との熱損失はプラスマイナスで熱損失が無いという扱いになります。


ただしとして、一定の要件の条件が付きますが、仕様基準の熱貫流率基準はさほど気にするレベルではありません。


以下は、共同住宅の熱損失についてのシミュレーションです。


 

当該住戸と隣接住戸とを同じスケジュールで暖房した場合、暖冷房負荷計算で推定した温度差係数は現在の想定(1~3地域の場合0.05、4~8地域の場合0.15)よりも充分小さい(住戸によっては、隣接住戸から熱を享受するケースもある)。

現行の温度差係数では、特に中間階中住戸から隣接住戸への熱損失を過大に評価していることになっている。


 

左のグラフが温度差係数が0.15の場合で、右が暖冷房負荷計算の結果。

青の部分が戸境の熱損失だとしており、左グラフの2階中の割合が高いのがわかります。


ただし、私の理解が進まないのは、むしろ角住戸の方が熱損失が少ないように見えるところ。設定した断熱材の性能がかなり高めであるためなのか?

まあ、気にしないでおきましょうか。


とにかく、この条件変更により、共同住宅の熱損失の計算値が、これまでよりも小さくなることは、間違いなさそうです。


また、法改正の附則において、なお従前の例によるとあり、改正前後で計算方法を使い分ける必要があると読めます。

⇒×誤りです。


追伸(2023.10)

この法改正前後でプログラムと0.15を共に使い分けると読んでいたのですが、どうやら申請中物件の変更は旧プログラムを使うようにというだけだと、省エネサポートセンターへの確認でわかりました。


つまり、今後の計算は全て新プログラムを用いて行い、上記仕様基準を上回ることが確認できれば熱損失係数0.0を使うことができるということです。


隣戸間の熱損失係数0.0は、中住戸について結構インパクトが大きいです。



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