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「らくらく」のはずが、追加の手続きが必要に?

10 時間前
読了時間: 5分

フラット35の手続に感じた疑問


中古マンションの購入に利用できる「中古マンションらくらくフラット35」。技術基準への適合があらかじめ確認されており、ダウンロードできる申出書を提出することで、物件検査と適合証明書の取得を省略できる仕組みです。購入者の費用や手間を減らせる、便利な制度だと思います。

ところが今回、この制度に登録された中古マンションの相談を受ける中で、その簡略化の仕組みに疑問を感じる出来事がありました。


金利優遇を追加しようとすると、省略できなくなる


今回検討したのは、「フラット35S(金利Bプラン)」に、「維持保全型」を組み合わせる方法で、さらに「中古プラス」の加算をします。家族構成による加算とは別に、住宅に関するメニューで合計3ポイントを目指しました。

なお、中古プラスと維持保全型の「インスペクション実施住宅」は併用できませんので、その選択は当初から削除。そこで、「安心R住宅」として、維持保全型を利用できないか検討しました。


ここで問題になったのが、適合証明の手続です。

住宅金融支援機構の説明資料(中古住宅 技術基準・物件検査手続のご案内)には、らくらくフラット35の対象マンションであっても、「インスペクション実施住宅」または「既存住宅売買瑕疵保険付保住宅」として維持保全型を利用する場合は、物件検査を申請し、改めて適合証明書の交付を受ける必要があると記載されています。

(資料のP15 最下部)


つまり、通常の利用では省略できる手続が、維持保全型の区分を利用しようとすると、省略できなくなるわけです。これはいったいどのような理由によるものか、後段で論じます。


安心R住宅ならどうなるのか


一方、この注意書きには「安心R住宅」が明記されていません。

そこで、今回の物件を安心R住宅とした場合、らくらくフラット35の適合証明書発行を省略を利用しながら、維持保全型を追加できないか、住宅金融支援機構へ問い合わせました。

その後、私が今回受けた回答は、「安心R住宅についてもインスペクション実施住宅に準じた扱いとなり、改めて適合証明書の取得が必要になる」というものでした。


なお、制度的には「安心R住宅で、新築時にフラット35を利用した住宅」について、別途、物件検査を省略できる仕組みも掲載されています。しかし今回の希望は、あくまで「らくらくフラット35の登録を前提として、さらに安心R住宅として維持保全型のポイントを追加しようとした場合」の扱いです。

少なくとも上記の文面では、

「②インスペクション実施住宅または既存住宅売買瑕疵保険付保住宅として維持保全型を活用する場合」

には、

「らくらくフラットであっても、物件検査を申請し、適合証明書の交付を受ける必要があります。」

としか書いていませんから、安心R住宅について明確な説明ができているとは言えない状況にあります。


追加の確認と、適合証明の省略は両立できないのか


私が理解しにくいのは、この手続の構造です。

らくらくフラット35では、あらかじめ確認された技術基準への適合を根拠に、個別の適合証明手続を省略できます。

その住宅について、さらにインスペクションや瑕疵保険のための検査などを行い、維持保全型の要件を満たそうとすると、もともと省略できた適合証明書の取得まで必要になる。


住宅の状態を追加で確認する方向へ進んだ結果、手続の簡略化が使えなくなる。この仕組みには、どのような合理的理由があるのでしょうか?


もちろん、インスペクション、瑕疵保険の検査、フラット35の適合証明は、目的も確認項目も同じではありません。別の検査を受ければ、そのまま適合証明の代わりになると主張しているわけではありません。

しかし、そもそも「らくらくフラット」に登録されているマンションは、適合証明にあたる性能が事前に確認されているからこそ、改めての物件検査や適合証明書の発行が省略されているのです。既に確認されている事項を活用し、維持保全型に必要な追加事項だけを確認する方法は取れないのでしょうか。

それが難しいのであれば、何の確認が不足し、なぜ適合証明書の取得が必要なのか。その理由を、利用者にも分かる形で示してほしいと思います。


今回は3ポイントを断念


結局、今回は適合証明書を改めて取得するための手間も踏まえ、維持保全型の利用を見送りました。

最終的には、「フラット35S(金利Bプラン)」と「中古プラス」による、合計2ポイントの金利優遇の選択となりました。

制度上の選択肢があっても、追加の手続が負担になり、利用を断念することがある。今回の相談では、そのことを実感しました。

結果的に、国が推進しているはずの「安心R住宅」が制度上の都合で選ばれなかったというわけです。


「らくらく」の利点を生かす制度にしてほしい


現行のルールに従って適合証明書が必要になることと、そのルールに合理性があるかどうかは、別の問題です。

今回の件を、直ちに制度上の誤りと指摘するつもりはありません。ただ、良質な中古住宅の取得や維持管理を後押しするのであれば、既存の確認結果を活用し、追加の負担をできるだけ小さくする仕組みが望ましいと考えます。

住宅金融支援機構には、安心R住宅を含めた取扱いの明確化とともに、らくらくフラット35の手続き簡略化メリットを維持しながら、必要な追加確認を行えるルートの検討を期待します。

※制度の記載は2026年10月時点。住宅金融支援機構への問い合わせ部分は、今回の個別案件で受けた説明に基づきます。


補足:

安心R住宅の選択が有力な候補になったのは、今回の対象物件が既にリノベーション協議会のR1住宅であったことが大きな理由です。

 
 
 

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