top of page

経産省環境省合同窓断熱事業の破壊力

更新日:2022年12月25日

少し古いニュースです。

10月28日に新たな経済対策が閣議決定され、


2050年カーボンニュートラルの実現に向け住宅の省エネ化の支援を強化するため、経済産業省、国土交通省及び環境省は、住宅の省エネ化を支援する新たな補助制度を創設する


と発表しました。


家庭部門の省エネを強力に推進するため、窓のリフォームによる住宅の断熱性の向上などの住宅の省エネ化への支援を強化するという。


ひとつは、こどもみらいの後継事業である「こどもエコすまい支援事業」


さらに高効率給湯器の補助もありますが、これらは置いておいて、


住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等【経済産業省・環境省】(1,000億円)

  • 高断熱窓(熱貫流率(Uw値)1.9以下等、建材トップランナー制度2030年目標水準値を超えるもの等、一定の基準を満たすもの)への断熱改修工事に対して支援。


という制度に注目です。



これは、窓の断熱に特化した事業で、非常にわかりやすいです。

断熱改修は内窓がやりやすく効果的ですが、この制度を利用する場合、窓の熱還流率が1.9以下でないと使えません。

結果として、樹脂サッシの複層ガラスLow-Eが必要です。


といってもほぼ普及品なので、導入のハードルは高くありません。


補助額がかなり大きく、定額というのが特徴です。


試しに、こどもエコすまい支援事業を見ると、

大の内窓で31,000円(ZEHレベル)

こちらの制度は、69,000円と倍以上!


迷うこと無く、この制度を使ったらいいのです。



ところで、予算が1,000億円計上されているのですが、期限は2023年12月末までとそんなに長くはありません。


1,000億円というのは、こどもみらいの1,142億円に匹敵します。

こどもみらいでは、新築のZEHレベルに自動的に100万円をばら撒く仕組みです。


それに対して、こちらは窓断熱のみ。

頑張って補正予算組んだのは良いけど、ぜんぜん消化できないんじゃないでしょうか?


サッシメーカーの話だと、こどもみらいのような仕組みによるリフォームの内窓はせいぜい数億円程度の規模だそう。


いくら補助額が大きいとはいえ、ちょっと予算取りすぎじゃないですかね。

補助額が2倍になったところで、需要が2倍になるかというとかなり疑わしいです。

そこで、今までの100倍超の予算を準備したと言われましても・・・


本気でその予算を消化するつもりなら、補助額をさらに上乗せするとか、低所得世帯は全額国で負担するとか、考えられないですかね。

たぶん、そこまで英断してもなかなか消化できないと思います。



こどもエコすまいとの併用も可能だというし(同じ部位の二重取りはNG)、リフォームのついでに窓断熱を検討してみてはいかがでしょうか。


なお、お住まいの地域によるのですが、都道府県や市町村で別に補助制度を用意している場合もあります。

これらは財源が違う場合、併用が可能なものが多いので、調べてみてください。


もっとも、税金がそのような使途に充てられることを思うと、併用することへの後ろめたさを感じます。

このような積極的に情報を取得できる者が恩恵を受け、情報弱者が損をする仕組みは、一層の格差を助長しているという側面がありますので、別の手立ても同時に進めていく必要があると考えます。



閲覧数:26回

コメント


bottom of page