省エネ基準はどれだけ厳しいのか(3)
更新日:2022年12月10日
平成25年(2013年)の改正で一次消費エネルギー基準ができてから、ここしばらくの間は温熱環境における基準は断熱等性能等級が4まで。また、一次エネルギー消費量等級は最高で、低炭素基準の等級5という状況が続いていました。
ところが、2022年4月にZEH(ゼロエネルギー住宅)を想定した、断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6が施行され、さらに10月には戸建を対象に、等級6と等級7を設定しました。
断熱等級6と7は、民間の基準であるHEAT20のG1とG2の基準にほぼ沿った形となり、より高断熱の外皮の基準に踏み込んでいます。
すぐに、断熱等級7が普及していくという段階ではありませんが、もともと住宅性能表示とは、住宅の性能を測る公平な物差しとして、比較検討を容易にしていくことを目的としていますから、普及しないから設定しないということでもありません。
むしろ、差別化の道具としたいのであれば、そういった上位等級が無いと区別ができませんし、より一層の住宅の断熱化を促進したいという政策の背景からすれば、市場の先を走っていくのもおかしなことではないでしょう。
他の住宅性能評価の基準が、一般的に等級1を建築基準法レベル、最高水準を等級3として設定しているのに比べると、温熱環境の突出ぶりが目立ちますが、やむを得ないのだろうと思います。
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