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省エネ基準はどれだけ厳しいのか(2)

更新日:2022年12月25日

前回に引き続いて、少し前の省エネ基準についてです。


建築物省エネ法によって、改めて省エネ基準が規定されたり、今も改定が続いていますが、この基準によって最先端の断熱性能の住宅が生まれるかというと、どうやらその様な感じではないということは、ご存じの方も多いでしょう。


今の省エネ基準は平成28年基準となっているのですが、実際のところ平成25年基準とほとんど変わりがありません。

であれば、平成25年基準で何をしたのかというと、省エネの性能を


熱損失係数(Q値)⇒ 外皮平均熱貫流率(UA値)


として、断熱基準のモノサシを変えただけでした。

Q値の分母が床面積であったのに対し、UA値は建物全体の表面積を分母として、より住宅の規模に見合った表現ができるようになったという進歩はあったものの、断熱基準そのものは、下記の国交省資料に示されているように、これまでの平成11年基準と同等となるように設定されています。


そうなると、元をたどれば平成11年基準が今の省エネ基準の正体であったことがわかります。


断熱の等級4というのは、平成4年基準相当の等級3に、昭和55年基準相当の等級2、さらにそれ以下の等級1の階層があったものですから、堂々たる最上位等級であり、長期優良住宅の省エネ基準として先月まで君臨していたものです。


平成11年は今から23年前ですが、さぞ快適で性能の高い基準のように当時のパンフレットに記述されています。




翻って現代において、この基準はもはや最低限守らなければならないレベルという位置づけに再設定されようとしているのです。



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