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マンションでのZEH水準クリア

更新日:5月13日

これまで、中住戸ならとか内窓を付ければと障壁となるような条件のオンパレードで、ちょっと省エネ基準クリアは無理かもと考える方も、かなりいらっしゃったかと思います。


しかし、令和4年11月7日に共同住宅等の住戸間の熱損失の取扱いが合理化されたことにより、いきなり省エネの基準が下がったのです。


基準が下がることについて、ここでその良し悪しはいったん議論を避けておきます。


住戸間の熱損失がゼロで良いというのは、結構インパクトのある話です。

例えば、中住戸を例にした下記の場合、青い部分の熱損失が無いと考えて良いというのです。




お隣さんも同じ室温で生活していると考えれば、プラスマイナスで熱損失が無いと考えるのはおかしな話ではありません。

しかしその結果、上記のモデルによれば、マンション中住戸ならたった36㎡しか断熱をしなくて良いのです。

一方の戸建ては、266㎡も断熱をする必要があります。


実に7倍以上の断熱面積! いやあ、マンションって熱効率的には優等生ですねえ。


この結果、どんなことが起きるか。

  1. 戸建てよりマンションの方が圧倒的に省エネの基準に該当する住戸が多くなるし、工事を実施するにしても基準に届きやすい。

  2. マンション中住戸を中心に、もはやZEH水準すら軽く超えてくる住戸が続出している。

このうち、1については、そもそも既知のことですが、2についてはよくご認識いただきたいです。

例えば、建設住宅性能評価書で【断熱4】【一次エネ4】ですから、省エネ基準を満たしていますねと安心しきっていた、新築マンションの買主や不動産関係者の方へ。(既存住宅の買取再販も含みます。)

当該マンションが全戸省エネ基準に該当していたとして、中住戸はさらに有利なZEH水準をクリアしている可能性があります。


そうなると、住宅ローン減税のZEH水準による上乗せができることは、買主様にお伝えできていますか?

さらに、ローンを利用しない場合でも使える


認定住宅等新築等特別税額控除



こちらも受けられる可能性が出てきます。


これ、意外と無視できないですよ。


ただし相変わらず、国交省が決めた引渡し前の現場検査ルールが壁になっています。

買主様から、証明書を発行してほしいと言われても、ルールを変えないとできないです。


申し訳ないですが、国交省に何でこんなルールを作ったんですかと文句を言ってほしいです。



以下引用

 

(3)証明時期

①居住用家屋の新築等に係る家屋

証明は、原則として工事完了後に行うものとする。また、当該証明のための家屋の調査は、当該家屋の取得の日前(令和5年4月1日前に居住の用に供される家屋については同日前)に終了している必要がある(令和4年国土交通省告示第455号第1項及び第2項並びに附則第2項)。

なお、当該家屋の調査が終了した日は、当該家屋の調査として行う現地調査が終了した日(証明を行う建築士等の判断で現地調査が行われなかった場合(申請者から(1)①(Ⅳ)の書類若しくはその写しが提出された場合又は(1)①(Ⅱ)の書類若しくはその写しが提出された場合で当該家屋が建築確認を要する建築物に係るものであったときに限る。)は、これらの書類が発行された日)である。

 

まとめると、

  • 住宅取得前に、家屋調査を終えている必要がある。

  • 調査の終了とは、現地調査の終了日である。

  • 現地調査を省略した場合は、書類発行日を現地調査終了日とする。


というわけで、「新築住宅の引渡し前に現地調査を実施していない限り、証明書は発行できない。」となるのです。


⇒だったら、ディベロッパーが全部対応すればよいじゃないですか。


まさにその通りです。

だけど、今でも全くできていないから、お伝えしているのです。

ディベロッパーの責任にしたところで、実態としては周知しきれず、対応していないのだから、問題が大きくなるばかりです。


厳密に供給者に発行権限を絞ることで、余計な責任問題が生まれてきませんか。


本来供給者がそのような証明書をきちんと発行すべきという理想論はわかりますが、実態としてこの短期間に関係者に周知徹底ができるのでしょうか。

関係者というのは、マンションディベロッパーだけではありません。買主が接する仲介会社や販売会社など全てです。そんなことできないでしょう。

不動産関係者は買主からの要望に対して、「やらない。できない。」と言っています。


そもそも、住宅省エネルギー性能証明書の存在すら、不動産関係者にはほとんど知られていません。

現実の商慣行を見定めながら、ルールを作っていただきたいですね。


建設住宅性能評価の5-1断熱等級と5-2一次エネ等級が必須になったことにより、住戸別の省エネ計算は今後の供給物件については不要となる可能性が高まっていましたが、今後の省エネ基準の底上げも見据えると、ZEHかもというニーズは残り続けることになるでしょう。


なお、追記としてマンション編のZEHマンガも制作されましたので、ご報告いたします。


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